六大煩悩とトランプ
六大煩悩とは、貪(とん)・瞋(じん)・癡(ち)・慢(まん)・疑(ぎ)・悪見(あっけん)という、6種類の煩悩のことである。仏教の世界では、罪の原因は煩悩であるとされている。仏性をけがす3つの悪しき精神作用(煩悩)を心の三毒といい、むさぼりの心(貪)、怒りの心(瞋)、愚かさ(癡)を代表とする。これにうぬぼれの心・人を見下す心(慢)、疑いの心(疑)、種々の間違った見解(悪見)の3つを加えて、六大煩悩とし、人間の正しき思いを迷わせ、地獄へ墜とす重大原因と考えるのが、仏教的正思の基準である。(“Hatena Keyword”より引用)
ツイッターを使って政策やその成果を自画自賛、自分に都合の悪い批判的なニュースはフェイク・ニュースであるとしてメディアを攻撃、貿易交渉においては他国を脅して譲歩を迫る、時に他国の元首や要人を名指しして罵倒、根拠もなく地球温暖化論は間違っているとしてパリ協定から離脱、ロシア疑惑や自身の不倫等の数々のスキャンダル、そしてスキャンダルが浮上すると新たな外憂を持ち出して関心をそらす、教師に拳銃の所持を勧め、女性差別や人種差別、メキシコ国境の壁建設・・・・などなど数え上げたらきりがない。冒頭の六大煩悩のすべてが、上記したトランプの悪しき行為のいずれかに当てはまることにお気づきと思う。正気を失っているとしか考えられない。これが世界の最強国家アメリカの大統領である。まさにいま、我々はこれまでに経験したことのないような、不確実性の時代を生きているのである。
いま世界は、ポピュリズムが台頭しつつあるといわれる。ポピュリズムとは、一般大衆の利益や権利、願望、不安や恐れを利用して、大衆の支持のもとに既存のエリート主義である体制側や知識人などと対決しようとする政治思想、または政治姿勢のことである(“Wikipedia”より引用)。
アメリカ社会におけるこのポピュリズムの台頭の中で生まれたのがトランプ大統領である。彼はツイッターを巧みに利用して、一般大衆を取り込もうとしている。しかし、彼の大統領としての資質や品格のなさは余りにあからさまであり、強固な支持者といえども、いずれ離反していくのではないだろうか。個人的な見解ではあるが、彼が弾劾されるのは時間の問題ではないだろうか。もし、さらにポピュリズムが勢いを増してくるようだと、かつての世界大戦への道へと突き進んでいかないとも限らない。これからも、トランプの暴走、アメリカ社会の動向から目が離せない日が続く。
トランプに対する日本の付き合い方は非常に難しいと思う。しかし、彼の意のままに従っていては、彼をさらに勢いづかせるばかりである。政府には、ある程度のリスクを背負ってでも、毅然と対応してもらいたいものだと思う。
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