名曲との出会い_ヴェニスの謝肉祭の変奏曲
尊敬するクロマチックハーモニカ奏者の一人である“Franz Chmel”の演奏の中で大好きな曲のひとつが、”Variations on the Carnival of Venice(ヴェニスの謝肉祭の変奏曲)“である。
この曲は、フランスのジョゼフ・ジャン=バティスト・ロラン・アルバン(Joseph Jean-Baptiste Laurent Arban,)(1825.2.28 – 1889.4.9)により、金管楽器であるコルネットによる演奏のために作曲されたものである。
この曲がどのような背景をもとに作曲されたのかわからない。比較的ゆっくりしたメロディーから始まる。打音やスタッカートといった装飾音が、明るく軽やかな印象を与える。とても楽しく親しみやすい曲である。上流階級というよりは、庶民の明るいお祭りの情景が浮かんでくる。演奏開始から2分半程するとリズムが早くなってくる。そして、演奏開始から3分半程すると、お祭りも佳境に入ってきたのだろうか、1分間に500拍の高速演奏が始まる。明るく軽快なメロディーに、思わず体も揺れ動いてくる。演奏時間は8分30秒程であるが、時間の経つのも忘れるぐらい、その超絶な演奏に聞き入ってしまう。
まずは、本家のトランペット演奏からどうぞ
演奏者はトランペットの巨匠“Maurice André”
こちらは“Franz Chmel”によるクロマチックハーモニカの演奏(音質があまりよくない)
音質がよいのはこちら
楽譜はこちらからどうぞ
楽譜というものに初めて触れ、クロマチックハーモニカの本格的な練習を開始したのは65歳も過ぎてからである。それから1年半で、このような難曲に挑戦するというのは無謀なことかもしれない。しかし、難曲を織り交ぜながら練習すると、それよりも易しい曲を容易に演奏することができるようになる。その分、表現力に集中できるのである。これまでも、“美しく青きドナウ”、“涙のトッカータ”、ビゼーの“メヌエット”、”アランフェス協奏曲”とかいった比較的難しい曲も、なんとかクリアしてきた。
ところが、“ヴェニスの謝肉祭の変奏曲“ばかりは簡単にはいかないような気がする。特に、この曲は、アルペジオ、ダブルタンギング等、他の曲ではあまり見られない多くの技が必要である。ひょっとするとこの年では無理かもしれない。しかし、達成できたときはその喜びはひとしおだろう。楽しみながら目標をもって頑張れるということは幸せなことである。”芸は身を助く“ 将来、何かよいことがあるかもしれない。
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