日大アメフト事件と日本社会
明るい話題にしたいところであるが、日大のアメフト事件が気になっているので、前回に続き一言述べておきたい。
日大アメフト事件をきっかけとして、理事長と暴力団との関係等、日大の暗部がつぎつぎと炙り出されている。およそ教育とは無縁ばかりか、それに反するような事実にただ呆れるばかりである。その根本にあるのは、拝金主義と上役に絶対服従の閉鎖的体質である。このような体質の醸成に一役を担ってきた日大の体育会系クラブの学生やOBは、今回の事件をどのように受け止めているのであろうか。
今回の事件と日大紛争(1968)とも共通点が見られるのは興味深い。組織の体質は一朝一夕に変えられるものではなく、遺伝子のように長年に渡って受け継がれ根付いていく。体質改善は容易ではないと思われる。経営陣をすべて一新して、初めから出直すぐらいの覚悟が必要ではないだろうか。
今回の日大アメフト事件は日大に特有の問題として片付けてよいものだろうか。私はそうは思わない。このような古い体質は体育会系クラブばかりか、日本のあらゆるところに根付いていて、それが日本の国際的信用をも落としている一因にもなっている。その本質のひとつは、組織に従順で物言わない日本人の気質である。そしてその裏に潜む暴力や恐怖心である。そのような組織で活躍した人たちがやがて社会のリーダーとなり、不条理な組織の文化が脈々と受け継がれていく。そして組織の為なら、反社会的をもいとわない組織文化が根付いていく。最近の日本の国際的大企業の不祥事や、レスリングや相撲界の不祥事の裏にある体質と共通している。
このような陰湿な体質は、一つ間違うと北朝鮮のような体制に進んでいかないとも限らない、非常に危険な要素を含んでいると思う。危険の芽を摘むのは、国民の監視であり、自由にものを言える社会である。そしてそれを担保する最も根幹をなすのが憲法である。この豊かな社会にただ酔いしれるのでなく、しっかりと社会に目を向けたいものだと思う。
<気分転換>
昨日は競馬の祭典”日本ダービー”が開催されました。サイクリングのついでに久しぶりに出かけてきました。入場者数約12万人、君が代独唱は”さだまさし”、久々に興奮した一日でした。そして馬券の結果は? 当たるわけないでしょう。。
競馬博物館の中の一角の池に毎年やってくる野生のカモです。今年もたくさんの雛が育っていました。
こちらは重賞を勝ったことのあるサラブレッドの”マイネルラクリマ(2008-)”。毎年生産される約7000頭ものサラブレッドの中で、競走馬として生き残れるのはごく一部のみ。その他の大半のお馬たちの行く末は闇の中です。ここにも、日本社会の暗部があるのです(せっかく明るいはなしをしようと思ったのに申し訳ない)。
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