徒然なるままに

あるがままを生きる

日大アメフト事件に思う



今回の日大アメフト事件は、単にアメフトだけでなくスポーツ界全体に対して暗い影を落としてしまった。コメンテーターの意見として、「昔のスポーツの世界はこのようなきびしい上下関係があった」などと昔を懐かしむかのような意見も聞かれる。しかし、選手と監督とが口も聞けないような人間関係というのは聞いたことがない。上下の信頼関係はどのようなやり方であってもその基本になければいけないと思う。日大アメフト部は、おそらくおどしや暴力で組織をまとめていたのだろう。戦前の日本や、現在のどこかの隣国と全く同じイヤ~な暗~い体質である。このような体質はおそらく日大だけでなく、他にもあるかも知れない。暴力や脅しで組織を支配するというのは、人間がもっている最も醜い一面である。現代社会に適合した、合理的で民主的な指導方法に改めてもらいたい。



誠実で純真な20歳になったばかりの宮川君は、自分がやってしまったことの重大さに打ちひしがれていることだろう。幸いなことに相手の選手に重大な損傷を与えなくてよかった。人間、誰しも過ちを冒しながら年をとっていく。人生経験を重ねることにより、振り返ってみて初めてバカだった過去の自分に気付くことも多い。その多くは、社会常識に乏しく無分別が故の失礼・無礼・非礼、傲慢である。“若気の至り”というやつである。私自身、年を取るにつれこれが走馬灯のように思い出され、やり直しの効かない自分に嫌気がさしてくることがある。しかし、これが人生というものなのだろう。宮川君の場合も、誰しも経験する未熟さが招いた過ちの一つにすぎないと思う。運が悪すぎた。まだ20歳。まだまだ、長い人生である。この事件を心に留めながらも、前を向いてしっかりと歩んで行ってもらいたいと思う。



一方、日大の責任が重大であることは誰もが認めることだろう。日大はスポーツを通して学生に何を学ばせようとしているのか問いたい。原点に立ち返って根本から出直すべきだろう。これは何も日大に限ったことではないと思う。



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