珍客現る
我が家のブドウ(巨砲)も小さな苗木を植えてから既に15年程になる。10年程前に虫が付いたため、幹の一部だけを残す大手術を施した。しかし、みごと再生して今では家の周りをぐるりと囲んで、夏は日よけになるとともに毎年のようにおいしい甘い実をつけてくれる。昨年は大量だったが、あまりに実が付きすぎたせいか色付きがよくなかった。そして今年は昨年の反動か、実が少ない。しかし、粒は大きく色付きもよさそうである。そんな中、先週、奇妙な出来事があった。物置の屋根のすぐ上に生っているブドウがもぎ取られ、皮だけがあたり一面散らかっているのである。いままでこんなことを経験したことはなかった。さては、大きなネズミだろうと思っていた。
それから一週間後、いつものように薄暗い早朝の4時に起きて、濡れ縁で野良猫のタマに朝食を与えた。タマが食べ終わってしばらくすると、濡れ縁の端に両手をつけ、顔だけを出して丸い目をクルクルさせながら部屋を覗き込んでいるかわいらしい動物がいる。な、な、なんとタヌキではないか!驚きと感動と心配が交錯する複雑な気持ちになった。おそらくブドウの味が忘れられずに周辺に居ついているのだろう。タヌキガせっかく見つけたごちそうなので追い払うつもりはないが、餌付けだけはやめようと思う。なついた後の処置がたいへんだからである。野良猫との共生も難しいだろう。
部屋を覗き込むタヌキ(こんな感じでした)
手が届かないとこはこれだ!
我が家は、八王子市の中心街から程近い住宅街にある。すぐ近くには北島三郎さんの大邸宅もある閑静な住宅街でもある。都心にもタヌキがいるというから何ら不思議はないが、目の前に現れるとビックリする。近くには自然豊富な都立小宮公園もあるので何とか生きていけるのだろう。私の故郷は鹿児島の辺境の山里であるが、タヌキを見かけたことは1回もなかった。都会に住んでいながら、キジやコジュケイその他豊富な種類の野鳥ばかりか、タヌキにまで出会うとは何と贅沢なことだろう。自然や動物が大好きなので幸せいっぱいではあるが、この現象をどう考えたらよいのだろうか。
付近には交通量の多い幹線道路も走っている。タヌちゃんにはくれぐれも気を付けてもらいたい。
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