猛暑にもトランプにもイライラ
連日の蒸し風呂のような強烈な熱波に、体力も気力も失いがちである。半家猫のララも、さすがに外出を控え、朝から私の椅子を占拠して一日中丸くなっている。
この憂鬱な気持ちに追い打ちをかけているのがアメリカ大統領トランプの奔放で支離滅裂な放言である。トランプが大統領になってからのこの2年間、世界中の政治・経済が彼の言動に振り回されている。これほど大統領としての資質も品格も欠くアメリカの大統領を他に知らない。しかし、アメリカでは人気が上昇しているというのだから不思議でならない。論理や合理性よりも和や情緒を尊ぶ日本人と、何事も論理的、合理的に物事を進めるアメリカ人との、国民性の本質的な相違に基づくものだろうか。心配なのは、支離滅裂・奔放な言動を繰り返す彼のアホぶりである。中間選挙を控えて、国民の支持を得るためのビジョンなき目先の国益ばかりに目が向いているからだろう。アメリカはそして世界は、これから先どこへ進もうとしているのか?かつての第一次大戦も第二次大戦もポピュリズムに端を発している。これからもハラハラドキドキは続く。
と、こんなことを書いてもストレス解消、気休めにしかならないことはよくわかっている。日本人としては、日本が是々非々でアメリカと対等に毅然として付き合っていくことを期待するしかない。
国内における昨今の凶悪事件の日常化、相次ぐ大企業の不祥事、国内政治の混乱、そしてアメリカ政治の暴走等を考えるとき、ぜひお勧めしたい本がある。藤原正彦氏の「国家の品格」:新潮新書である。2005年発行の古い書籍であるので、既に読んだことのある人も多いと思う。人や国家のあるべき姿の本質が理路整然とわかりやすく述べられており、時代を越えて色あせることのないすばらしい啓蒙書だと思う。藤原氏は、日本が世界から尊敬されてきたのは、「情緒や形」を大切にする国だからだと述べている。そして、その情緒を育むのが武士道精神だと述べている。われわれが日常、常識だと思っていることも、一歩下がって冷静に考えてみると間違いであることに気付くことが多い。本書には目から鱗が落ちるような考え方が数多く散りばめられている。
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