苦難を乗り越えた愛猫
ララ
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ララを保護してから1年半が経った。子猫達は母から引き離され、恐怖や不安の毎日だったに違いない。次から次へと降りかかってくる難題に振り回されながら、リリ(ララの姉妹)が行方不明になってしまうという悲しい出来事もあった。そして、この子だけが残ってしまった。それだけにかわいさもひとしおである。信頼関係を築くのに1年もかかったが、いまではすっかり馴れ、大半を私の部屋で過ごすようになった。甘えっ子である。
事情あって家族には家猫として認められていない。ララもそのことを良くわきまえているようで、ベランダからこっそりと訪ねてくる。私が部屋にいないときは、すぐに外に出て行ってしまう。不安なのだろう。
ララは時々、やや緊張気味に私の目を食い入るように見つめているときがある。にっこりすると安心したように目を細める。こちらの機嫌を窺っているのだろう。猫好きな人とそうでない人も直感的に読み取っていると思われるようなところもある。猫だと思って侮るなかれ 感性の鋭さは人間以上かも知れない。
私が外出すると、ララは時々部屋で待っていてくれる。久しぶりに会ったりすると、うれしさの余り、尻尾を立てながら体をスリスリ、そして甘噛み、たまに肩に乗ってくる。頬ずりするとグルグル喉元を鳴らしながら顔をなめる。ありとあらゆるボディランゲージで嬉しさを表現する。また、私を見つめながら、語り掛けるように表現豊かな鳴き声で気持ちを表現する。これが猫かと思うほど、喜怒哀楽の豊かな感情は人間と基本的に変わるところがない。
肌寒い日は、小さな椅子を半分づつ分け合って、私の背中に体をくっつけて気持ちよさそうに寝ている。その温もりが心地よい。世話するのは決して楽ではないが、幸せそうなララを見ていると、保護してあげてよかったと思う。
一方のララの母猫のタマは?こちらも、出会った時のあの荒々しい態度はどこかへ消え、すっかり穏やかになってきた。体もふっくらして毛並みもよくなってきた。体を撫でると身を寄せてくる。おそらくこの世で信頼し、甘えられる生き物はこの私一人だろう。それでも、いまだに警戒心は強い。
現在(2018年4月24日)のタマ
生まれたばかりの子育てに必死の頃のタマ(2016年5月)
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