やっぱり株は長期投資がいちばん
これまで30年間幾度も暴落に合いながらも、懲りずに片手間になんとなく株式投資と付き合ってきた。しかし、サラリーマン現役を引退してから本格的に株式投資と向き合ってきた結果、ようやく自分に最適な投資スタイルが見えてきたように思う。やや遅きに失した感はあるが、今まで通りのやり方を続けるよりはマシだろう。そこで、今回は前回に続いて私の個人的な株式投資の考え方を紹介したい。ご参考にしていただければ幸いである。
株は政治・経済・社会のありとあらゆる情報に反応して日々変動する。そして大きく上昇した株は、やがて急降下を始める。すると、どのような好材料も無視され、悪材料ばかりが取り上げられて、その下げに拍車がかかる。ときに好材料さえも悪材料にすり替えられてしまう。逆に、下がり過ぎた株が上昇に転じると、どのような悪材料も無視され好材料ばかりが取り上げられる。ときに悪材料までもが好材料にすり替えられてしまう。このように人の集団的行動が一方向に流れやすいのは、人間が持っている本質的な傾向かも知れない。株価の動きをなおいっそう複雑にしているのが、この人間の集団心理である。
株価の動きを複雑にするひとつに、誤った情報または株価操作に類似した情報がある。日本を代表するようなマスメディアが、“きょう日経平均株価が○○○円急落しました。原因は△△によるものです。”などと報道すると、「ホントかよ」と、時に笑いたくなるような理由付けもよくある。株価変動の要因はこじつければ、いくらも出てくるのである。このような雑音に一喜一憂して株の売買を繰り返していると、損失ばかりが膨らんでいく。大切なことはその原因の本質をよくつかむことである。
株価の大きなトレンドを形成するのは需給である。買われ過ぎた株は買い戻され、売られ過ぎた株は買い戻されるという単純な図式である。さらにその需給を左右するのが景気変動である。日々の株価の変動要因は余りに複雑で、株価を的確に予測するのは容易ではない。困難といっても言い過ぎではないと思う。しかし、全世界の投資家がこの困難な課題と日々奮闘しているのである。当然ながら、短期の株の売買はギャンブル的要素が強いので、心労多くして益が少ない(もちろん、秀でた才能のある方はおられると思うので、短期の売買を必ずしも否定するものではありません)。
先日、ある株の専門家の記事の中で、「人は損をするようにできている」というのがあった。身につまされる含蓄のあることばである。分かりやすく言えば、「人は欲に支配されると冷静な判断ができなくなり、高値を買って安値で売ってしまう」ということではないだろうか。
ではどうすべきか?複雑な問題は単純化し、その本質的な要因をもとに解決を図るのが最も効率的である。そこで私が考える株式投資の王道は、成長性の高い銘柄を長期波動の底で買い、高値で売ることである。それを具体的にどう実現するかだけに知力を集中すればよい。日々の株価変動を予測することに比べれば、資金や情報力に乏しい個人投資家にとってもそれほど難しい課題ではないし、日々の株価の動きに神経をすり減らす必要もない。これなら、やがてやってくるであろう大震災やブラックマンデーのような不測の事態が発生しても、損失を最小限に食い止めることができるだろう。
さらにリスクの少ないやり方として、投資信託の積み立投資がある。これは、株価の長期波動に沿った投資方法であるので、長期的にみれば銀行預金などよりもはるかに高い利回りが得られるのではないだろうか。しかし、これも投資信託の種類の選択を誤るととんでもないことになるので注意が必要である。
株の世界では、冷静な判断と忍耐、克己心なくして勝ち続けることはできない。
しかし、言うは易く行うは難し。
小生も流されやすい俗人であることには間違いない。
<この記事を読んでいただいた方へ>
投資スタイルは自分の性格や能力に合ったものでないとうまくいかないと思います。
また、投資は自分の判断で慎重に、
間違っても、よくも知らない他人に大切なお金を預けて、運用のすべてを任せるようなことをやってはいけません。
幸運あれ!
おわり
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